リスクが大きくならないうちに、早い段階で組織の健康チェックをし、骨太の組織づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
労務監査
組織には色んな意味で成長段階があります。変化の激しい経営環境の中で成長を持続させるためには、組織を更に骨太へと育てていかなければなりません。
『労務監査』といっても、何も一部の大企業だけを対象とするような難しいものではありません。簡単に言うならば、『組織の健康診断』のようなものです。「毎日毎日、一生懸命頑張ってはいるけれど、どこも悪いところはないのかな。もっと健康になるには、何に気を付けたらいいのかな。」ということを、まず知っていただくためのツールであると考えています。
また、万一何か問題点が見つかった場合でも、一度に全部改善しなくてはならないと気負う必要はなく、組織の体力に合わせて、より健康になるためにできることから一つずつ取り組んでいけばいいのです。
当事務所では、労使関係に関する法律に基づき、就業規則の内容や法定帳簿の整備状況、労働時間管理の方法等についてのアセスメントを行い、その結果について労務リスクを踏まえたうえでの改善提案を行います。リスクが大きくならないうちに、早い段階で組織の健康チェックをし、骨太の組織づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
労務監査は、株式公開(IPO)の事前準備としてもお奨めしています。
労使協定の整備
労使協定とは、「労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者との書面による協定」をいい、労使間で決めたルールを書面化したものになります。労使協定には、労働基準法で使用者に課せられている原則的な義務について、労使間で同意した範囲に限り許容させたり、法律を上回る約束の履行を使用者に義務付けることで労働者の権利を守ったりする役割があります。
労使協定は、労基法で定められた手続きに則ったうえで、締結する必要があります。この手続きを怠った場合は、労使協定そのものが無効とされてしまうことがあり、無効とされた場合には、当然約束事は意味をなさなくなります。それだけでなく、内容によっては法律違反を問われることにもなりかねません。
また、労基法で認められている労使協定による例外的取扱いの多くは、労働時間に関するもので、労働基準監督署へ届け出て初めて効力を発するものもあります。就業規則で、労使間の例外的取扱いを規定した場合には、労使協定も忘れず締結(届出)しておきましょう。
主な労使協定
労使協定が必要な場合 | 法条文 | 届出の要否 |
---|---|---|
社内貯蓄金管理 | 第18条 | 要 |
賃金の全額払いの例外 | 第24条 | |
1か月単位の変形労働時間制 | 第32条の2 | 要 |
フレックスタイム制 | 第32条の3 | |
1年単位の変形労働時間制 | 第32条の4 | 要 |
1週間単位の非定型的変形労働時間制 | 第32条の5 | 要 |
一斉休憩の例外 | 第34条 | |
時間外・休日労働 | 第36条 | 要 |
月60時間超の時間外労働の代替休暇制度 | 第37条 | |
事業場外のみなし労働時間制 | 第38条の2 | 要 |
専門業務型裁量労働制 | 第38条の3 | 要 |
時間単位年休 | 第39条 | |
年次有給休暇の計画的付与 | 第39条 | |
年次有給休暇の賃金 | 第39条 |
労務管理って一体何をすればいいの。」「法律にガチガチに縛られるとやりにくくなるのでは。」「そんなことしていたら、ウチの会社はとてもやっていけないよ。」「分かってはいるのだけど。」・・・
「労務管理とは○○することです。」と一言で表現できるものでなく、また、積極的に取組んだからと言って、すぐに「売上があがった。」というように、目に見えた効果を感じにくいのも事実です。だからといって、いつまでも後回しにしておくことが果たして得策と言えるのかというと、決してそうではありません。
当事務所が考える労務管理とは、雇用する側と雇用される側がお互い一定のルールを守り、ともに目指すところに向かって最高のパフォーマンスを上げられるような組織にするための仕組みづくりです。もちろん、そこには「法律は度外視して」というわけにはいきませんが、決して気負いすぎる必要もありません。
少しだけ前に歩を進めてみようとお考えの際は、ぜひ当事務所にご相談ください。